2007年05月01日
犬とオジサン
映画づいております。 時間の調整しては映画に行っている今日この頃。 といっても、いつでも1000円の日ばっかりだがね。 1800円となるとなかなか躊躇する貧乏性です。 通常行く映画館は6回行くと1回タダになるので、そういう時だけ平日料金で行けます。 あはははは。
今日観たのは『ボンボン』 いつもの映画館とは違う単館上映だけれど、映画の日で1000円よぉ。 アルゼンチン映画よぉ、スペイン語よぉ。
舞台はパタゴニア。 行ってみたいねぇパタゴニア…
ファン・ビジェガスはツイてない男だ。パタゴニアの寂れた道路沿いのガソリンスタンドで20年も働いてきたが、ある日突然ガソリンスタンドが売却され、オーナーが変わるとあっけなくクビにされてしまったのだ。少しでも金を稼ごうと、趣味が高じた手彫りの柄のナイフを作っては売り歩くがさっぱり売れない。たいした技術も、財産もない初老の男に世間の風は冷たかった。
ファンは住まいもなくし、娘夫婦の家に身を寄せたが、娘も自分の生活で精一杯で、ファンは厄介物でしかなかった。
そんなある日、道ばたで車が立ち往生している女性を助け、家まで送り届けてやると、そのお礼に大きな白い犬をもらうことになった。その犬はドゴ アルヘンティーノという血統書付きの素晴らしいもので、犬は心の友にもなるからと半ば強引に押しつけられてしまったのだ。ファンにはお金の方がありがたかったし、自分の食い扶持すらないのにと思うのだが、やはり断ることは出来なかった。彼女の家はとても立派だが、男手もなくこれからの生計を母娘だけで立てて行くには不安そうに見えた。ファンは仕方なくその犬を助手席に乗せて家路につくが、不思議と少し心が温かくなった。犬も心なしか嬉しそうに見えてくる。
家に着くと大ブーイング。居づらい家がいよいよ居づらくなってしまった。しかしここから少しずつファンの運命は好転し始める……。
結構お勧めと思った。 以下、ネタバレな感想。
犬も人もさ、媚びないのよ。 基本的に動物全般が好きだが、「境界線を越えた」かわいがりかたというのは「いかがなものかの?」と思うときがある。「うちの子は大丈夫ですから!」と狂犬病の予防注射をしないとか、ペットはご遠慮くださいな場所に連れていって「どうしてですか?」なんぞと店員に抗議するなんて記事をみるとちょっと憂鬱になったりする。
だからこの映画の境界線は越えていない人と動物の共存がとても好ましかった。
悲惨といえば悲惨。 仕事はクビになり奥さんとは長年別居中、ごやっかいになっている娘夫婦の家も裕福とはいえない。 ボーッとした夫と泣き叫ぶ子どもにヒステリックになる娘。 裕福なお宅から血統書つきの犬を譲られ餌代だけでも大変だろうによ(涙)な始まり。 それでも人生をだまって受け入れていた主人公が、ちょっとだけ嬉しくなる日々がはじまって…このままずっと小さな幸せが続くとよろしいですなあ~と思わずにはいられないエンディング。 ノホホンな気分となりました。 たぶん西洋のお国では観客はクライマックスあたりはきっと拍手喝采して観たのだろうな。
主役を含めほとんどの役者が演技が始めて、またはそれに近いと映画鑑賞後に知った。 それが逆によかったのかも。 確かに演技に物足りない部分はあるかもしれないが、ベテランの俳優さんをそろえて同じものを作ったとしたら、このノホホン感は味わえなかったような気がする。
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