2006年09月15日
文楽でDNAを再確認した日
昨日、国立劇場にて『仮名手本忠臣蔵(かなてほんちゅうしんぐら)』に行ってきました。 文楽どす。
観てみるかなと思ったのは、夏に新聞のチケット販売広告にでていた文楽人形(写真)がうちのじーさんに似ていたからだった。 じーさんは私が小学生のときに亡くなってしまったが、家では威厳があるんだけど、家のために働くよりも地域貢献に命をかけていたので、実は家計は火の車。 おかげで、ばーさんとアタシの父親が生活をささえて大変だったというのが母の思い出だったりする。 しかしながら、こちとら小さい頃だったので、怒ると怖いのだが、東京に行くと毎回毎回三越の紙袋をさげてニコニコと帰ってくる姿やテレビで相撲か文楽見つつビールと枝豆を楽しんでいる姿ってのがアタシの思い出だったりする。 私にとっては、文楽=じーさん、であり、そんな「かしら(首→人形の頭)」があるのなら「行ってみるか?」になった。
国立劇場開場40周年記念公演とかで、朝10時半から延々に忠臣蔵が続く。 一部、二部、三部と全部観覧すると丸々半日11時間の文楽マラソンになるようで、さすがに、いくらなんでもそれは初心者にはキツイだろうと第三部だけを購入した。
始まってすぐに、「おお!これは!これは…始めまして♪」 な感情。 どんどんと、面白いじゃーないの! と舞台に夢中になった。 テレビで見ていたときよりずっと迫力があるのだよ。 義太夫の表現のある語りの迫力さに圧倒されそうになり、人形遣いの方の操る繊細さに驚く。 太夫と三味線そして人形遣の一体を3人で操る絶妙なタイミングで動く人形。 人形だというのに何故か喜怒哀楽の表情が本当に見えてくるから不思議~。
ワクワクと観ているうちに、ふと気がついた。 登場人物(登場人形?)の1人の顔が… アタシに似てないか? オペラグラスでじっくり見てみると… やっぱり似ている。 今回 "かしら"が着けている鬘(かずら)のせいもあるのだろうが、自分で言うのもおかしいが似ているのだよ。 じーさんに似た人形がいるから、と観劇に行って、自分に似ている人形まで見つけてしまった…結局DNAってことかねぇ? 今じーさんが生きていたら(そんなことになったら長寿日本一で表彰ものだが)一緒に観劇したりして楽しかっただろうなあ。 とか思ったりもしたが、たぶん、一緒に観ていたような気にもなったりしたのだった。
とても面白かったよ。 また来よう♪
あらすじで読む名作文楽50
今回のイヤホンガイドで非常にためになった解説者、高木 秀樹さんの本
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>登場人物(登場人形?)の1人の顔が… アタシに似てないか?
に、おぉ~分かる気がするぅ~。と、とても大きくうなずいてしまった。
totoしゃんは和風な美人さんだすぅ~。
文楽。私はかの昔にCity Centerで観ました。
その時はNY公演二回目だったのですが、NYTimesには
第一回公演の時に子供がつめかけびっくり!!のいきさつが書かれてあり
笑った記憶があります。
こんないいものは子供に見せるもんじゃぁ~ない。(笑)
その時もちろん私も始めて見たのですが、
見てるうちに黒子の人達が気にならずどんどん引き込まれていました。
人形のあの泣くシーンに感動するやら、ぞっとするやら。
この人(形?)達この舞台が終わったら、あ~やれやれとか言いながら
エンパイアに登って夜景がみたいとか言うんじゃなかろうか?
と心配しました。
今度日本に帰ったら私も文楽に連れてって下され~。
あははは、美人とかいってくれちゃってありがとう。 でも文楽人形マジで似てました。
NYでも公演あったのですね、そりゃ「ミスター・ロジャース」(ご存知でしょうか?子供の人形劇ですが、つっこみ満載でした)の人形劇見て育っている子供は文楽でそりゃびっくりしたことでしょう。 そうそう、私も途中から黒子さんは全然気になりませんでした。不思議ですね。 文楽鑑賞、日本帰国の際は是非ご一緒しましょ♪