2004年04月12日

Vermeer from Wien (or Vienna?)

昔、昔あるところに留学半年目だった10代の女の子がおりました。 女の子は友達がみな実家へ帰ってしまうクリスマス休暇中、暇になるからどうしようと思っておりました。 その矢先、学校の先生から「家族と一緒にビアナに行ってからその後インスブルックへ旅行に行くけれど、一緒に行きませんか?ビアナにはいい美術館がありますよ。」と誘われました。 日本に帰るよりは旅費も安いし、なんだか面白そうなので「はい、ついていきますワンワン!」と即決したのでした。
女の子は内心「だいたいビアナってどこよ? 知らないけど初めてのヨーロッパ旅行だもんねー♪」と何一つ前情報を入れずに飛行機に乗り、到着した空港から電車に乗って目的地中心部の駅へ。 そしてその駅の表示版の駅名をみて初めて気がついてプラットホームで叫んだのでした!
「そうか、ビアナ(Vienna)ってWienだったんだ!」 と。。。。。そして、先生とその家族に「知らないでここまで来たのか(--)」と大笑いされたのでした。

以上私の若かりし頃の実話でした(--;)

その後、日本は世界の都市をその現地の名前を使うが、アメリカでは違ったりするのを知ったのでした。 ウィーン(オーストリア)はビアナ、フィレンツェ(イタリア)はフローレンス、サンクト・ペテルズブルグ(ロシア)はセント・ピーターズバーグなどなど。  んなもん英語圏半年目の私にわかるわけない! おほっほっほ♪ 時には開き直りも人生大切です。

そんな思い出深いウィーン。 大寒波が来ていたとかで、外では電池が冷たくなりすぎて作動しなくなり、故障したのかとガッカリしながらホテルに戻ってしばらく放置しておくと突然動き出すウォークマンにびびりつつ、滞在中毎日通ったウィーン美術史美術館(Kunsthistorisches Museum Wien)の展覧会が4月15日から東京都美術館にて開催されます。 ルーベンス、ファン・ダイク、レンブラント等々、16世紀ネーデルランド、17世紀オランダ、17世紀フランドルのバロック期コレクションからだそうです。 そしてその中でもフェルメールの「画家のアトリエ(絵画芸術の寓意)」がやってくるのは楽しみです。 よくぞ貸し出してくださった@ウィーン美術史美術館

フェルメールの「画家のアトリエ」公開迫る

ウィーン美術史美術館のコレクションの中から、ルーベンス、ファン・ダイク、レンブラント、フェルメールら巨匠の名品58点をそろえ、美術史に輝く16、17世紀のフランドル・オランダ絵画にふれていただこうとするものです。
特筆すべきはフェルメール作「画家のアトリエ」が日本初公開となることです。フェルメールの作品は、現在知られる限り30点余りしかないという希少性はもとより、精巧な筆致と透明感のある色遣いで世界の美術ファンを魅了しています。本作品は門外不出の至宝であり、同美術館外で公開されることはきわめてまれでした。本作品の来日そのものが、“歴史的事件”であるとも言えるでしょう。
東京展は7月4日(日)まで。神戸展は7月17日から10月11日まで神戸市立博物館(神戸市中央区)で開かれます。

読売新聞 (2004年4月9日) (全文はこちら

手前にかかったカーテンが捲られて、人様のアトリエでの創作活動を覗き見るような構図、そしてアトリエにいる画家とモデルの風景をスナップショットしたような構成に壁の地図、シャンデリア、モデルが持つトランペットや本などなどひとつひとつに意味を含んで描かれる当時の絵画。 ひとつひとつの小物の意味や当時のフェルメールが暗箱式カメラを使って制作していた方法などがわかると美術鑑賞の新たな発見があって面白い絵の代表作です。 

来週早々展覧会へ行くならこっちも観ておこうと、今日はフェルメールつながりで映画「真珠の耳飾りの少女」を観てきました。 展覧会の前売り券と映画の前売りセット券が2500円だったのに発売は9日までだった~(涙) 当日券として考えると、映画1800円&展覧会入場券1300円。 お得なセットだったのに、ちとくやしい。

謎の多いまま亡くなったフェルメールとその家族、そして絵のモデルになった少女との創作物語なのですが、本当にこんな事もあったのかもなーと思えてしまうよく出来た物語でした。 そして映像が綺麗でねえ、アトリエやちょっとしたショットが30数点しかないフェルメールの絵画そのままな世界を映像で観ている気分になって途中鳥肌までたてていました。 興行的にはそんなに儲かる映画でもないようで、東京でも2つの映画館でしか上映がないってのが残念です。 私的にはフェルメール役でコリン・ファース(ブリジット・ジョーンズの日記)が出ているってだけで儲けもんなのに(^-^)

vermeer.gif真珠の耳飾りの少女
Tracy Chevalier (原著)
木下 哲夫 (翻訳)

映画「真珠の耳飾りの少女」HP

Posted by toto at 2004年04月12日 23:50
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