◇ひめゆりの塔から首里へ◇

無事に目的だったホェールウォッチングも終わり親も上機嫌なので、そのままひめゆりの塔へと向かう。 とうとう雨も本降りになってしまったよ。 とほほ、傘なんて持ってないよ、と思ったがひめゆりの塔近くのお土産屋さんで貸し傘のサービスをしていた。 たぶん大型観光バスのお客さん用なのだろうが、ありがたく店の名前入りの黄色い傘をお借りしてひめゆりの塔へと向かう。 天気も天気だから辛い場所がますます辛く、そして重く感じた。 資料館には当時の記録がところ狭しとあるのだが、母曰く以前は資料館なぞはなく、実際に体験された方がこの場で語っていたのを聞いたらしい。 「みんな年になってしまったからこういう形で残していくしかないのよね」と言う。 亡くなった方の写真とその横に書いてある生年月日をみていると、元気でいたらしら皆今ごろは孫にかこまれて幸せな老後を送っておられたかもしれないのにと思う。  

資料館から出たころにはすでにお昼の時間も過ぎていたのでお土産屋さんもガラガラ。 傘を借りただけでは申しわけないので、ここで軽食をとることにした。 ところが、ここで食べたタコライスが絶品だったのだ。 お腹がすいていたせいなのか、寂れた(失礼)苦手な(ゴメン)お土産屋さんにある食堂でこんなに美味しいいタコライスが食べられるとは! 食事が終わる頃には雨もあがったので、すぐ近くの琉球ガラス村はパスして、首里城を目指すことにした。 雨の日には室内観光、晴れたら外!基本っす。

親ったら「ガイドさんがしっかりしているから楽ねえ」ってノンキなもんである。 


そんなわけで首里へとやってきた。 
首里といえば二千円札、どこへいったか、このごろはめっきりお目にかかることのなくなった二千円札。 その紙幣のデザインになった守礼門は想像していたよりも小ぶりだった。 もっと大きいイメージでいたのだが、人間の勝手な思いこみというのは当てにならないのね。
守礼門から入ってすぐにあるのが世界遺産の石門。 ガイドブックの漢字は読めない、平仮名が振ってあっても覚えられない園比屋武御獄石門(そのひゃんうたきしもん)がある。

世界遺産というのはマンガだったらドドーンとかババーンという装飾文字と一緒にでてくるような、映像だったら壮大な気分になれるようなBGMと共に空から撮った映像や、下からズズズイーっと上までカメラをパンしていくようなイメージを持っていた。 だからこの小さい小さい世界遺産の建築物を目にした時、「へー、これが?」と思ったのが第一印象だった。 歴史はあまり知らないのがネックであるが、琉球固有の宗教建築で、この石門が拝殿の役割をしたそうだ。 


歓声門から首里城内へと進んでいく頃には「おー、サミットの写真で見た場所〜!」と見覚えがある場所になる。 朱色と金色の建築物、数々の龍の造形物、琉球の歴史を知らないが、琉球国王と中国皇帝が近い間柄だったってだけでもこれをみるとうなずける。 戦争もふくめ、過去4回も全焼しているので復元された建物とはいえ、城内の柱や家具の細かい細工や展示品などを見ていたら閉館時間まで楽しく過ごせた場所でした。