◇ホェール・ウォッチングで沖縄◇

初めてくじらを見たのはアメリカ・ニューイングランド州。 船のすぐ脇まで来たくじらがブッハーと潮を吹く様子は迫力があり、こんなにでっかい生き物が同じ惑星に住んでいると感動した。 
当時その話をして非常に興味を持ったのは父。 いつの日か自分もくじらを見てみたいと思ったらしく、後日母から相当羨ましそうだったと聞いた。 それから早10年近く。

偶然ネットにてザトウクジラが出産と子育てに毎冬沖縄の慶良間諸島へやってくるという記事をみた。一時姿を見せなくなっていたそうだが、10年前からまた姿を見せるようになり、今ではホェールウォッチング・ツアーが出るくらいに頻繁に見られるのだそうだ。 ほー、沖縄なら飛行時間も近いから、長年見たいと言っていた父にもいいのではないの? 「腰が重い」が得意の私にしてはめずらしく、翌日には行動を起こしていた。

「来月沖縄へ行くことにしたから、準備しておいて」と母に電話。 突然すぎて歯医者の予約がどーだ、とか、町内会がどーだとかいろいろ言っていたが、両親に予定なぞ最初から相談していたら延々に決まらないので勝手にこちらで決定させてもらいますぜ。 

とかなんとかエラソーに書いているけど、童謡「赤とんぼ」のころは♪15でねえやは嫁に行き〜、なわけだが、15歳で「暮らし」という意味では親元から離れたものの、その後の人生は鬼(親)の目の届かないところで好き勝手し放題。 いまだに嫁にもいかず、お里の便りも絶え果てず、なにかにつけては実家へ戻って野菜や米ドロボーをしでかすプチ・パラサイト。 私が出来る親孝行なぞ添乗員かわりのこんなもんしか出来ないというのが本音。 

朝ドラなぞ見れる時間に起きているわけもない私なので、連続ドラマの「ちゅらさん」も見たことがない、巷の沖縄ブームに完全乗り遅れたのにクジラに惹かれていくことになった沖縄。 それよりも何よりも私にとっては初めての本州脱出の旅なのよー。 佐渡や伊豆の初島ですら「本州から離れたわ♪」と喜んでいたのに北海道も九州も四国もふっ飛ばして沖縄〜! ワクワクしてきたのだった。 

◇出発の日◇

出発前日に前泊に家へやってきた両親はそりゃ早起きでした。 おーい、出発予定時間まで4時間もあるんですけど? これなら前泊しないでもよかったのでは?と思いつつ母が「羽田空港で遊びたい(つまりはウィンドウショッピング)」というので早めに出発。 空港までは自分の車です。 3人分の往復リムジンバス代より(某百貨店のカードを使えば提携している)羽田空港近くの駐車場料金のが安いのですー! それにどーせ、沖縄から帰ってきてからもどーせ東京駅まで送っていかないといけないんだから車のが楽ってもんよ。

羽田空港近くの駐車場に車を預け、空港へ。 まずはテレビでよく話題になっていた「空弁」を購入。 駅弁ならぬ空港で買う空弁は機内で食べれるようにコンパクトにまとまっているから2個くらいは食べられそうだよ。 また電車と違い空気循環も考えてあまりニオイのないものが中心なのだそうで、そのせいなのかお寿司系が大半でした。 

成田空港はよく利用するけど、羽田は2回目な私も沢山のお店は出発時間まで存分に楽しんで、空弁の笹寿司も買っていそいそとゲートへ向かう。 隣のゲートにはピカチュウ飛行機がいるではないの〜っ! こっちに乗ってみたいー!と思いつつも自分の便に乗りこみ久しぶりの飛行機にドッキドキする小心者。 どうしてもあのテイクオフには慣れないのですわ。 機内誌をパラパラめくると「快適な空のために〜」というタイトルで機内サービスをみてガーン! 


機内で配られる「今月のスペシャルドリンク」が私が苦手とする柚子ジュースらしい。 もちろん皆さんは美味しそうに飲んでるけど、犬なみの嗅覚を持つといわれている私にゃ機内に香る柚子の香りには悶絶ものとなってしまいました。 ちなみに両親も柚子が好き。 実家の庭には天敵柚子の木が毎年100個近く実をつけます。 ううう〜、他の柑橘系は好きなのに前世で柚子の木から落ちたとか何かあったとしか思えない〜。