◆富士山頂上にて (25,383歩目)

知らないうちすぎた九合目、狛犬と鳥居を抜けたら人が沢山いた。 それでもまだ頂上と気がつかない。 休むために座る場所を確保しようと思っていた矢先、はぐれていた友人と再開、そこで始めてここが頂上と知る。 あら、私はまだ登る気満々よ♪ 

とにかく日の出に間に合ったあ♪

ご来光の予定時間4時40分までは20分ほど時間があった。 どんどん東の空が明るくなっていくのでもう懐中電灯は必要ない。 達成感に酔いしれつつも展望台から下界を眺めれば頂上を目指してゾロゾロと登る人の列。 ああ、私もあそこを這いつくばりながら登ってきたのねー大変ねー、もう少しだからねーとすでに他人事な気分で応援しながら朝日をひたすら待つ。

やはり頂上は寒い、風も強いので汗をかいた体ってこともあり、どんどん体感温度が下がっていく。 フリースを持ってきて正解だった、とやっと思った。 東の空を眺めつつ太陽が丸く顔をだす瞬間をじっと待っていた。




ご来光



ちょっとだけ、雲にかかってしまったご来光だったが、それでも私は充分に満足した。 ゆっくり、ゆっくり静かに太陽が昇ってきて、どんどん空や雲の下にある町が明るくなっていくのは感動ものだった。 

さすがに寒くなってきたので休憩所にてお弁当のおにぎり朝食を食べる。 インスタントのお味噌汁の頂上プライスは一杯500円、それでも欲しいものは欲しいし、美味しく感じる。  この高さに食料を運んでくるのはそのくらいの料金とって当たり前だと思うよ。

その後火山口を一時間半ほどかけて一周する「お鉢巡り」というのを是非やりたかったのだが、まだ帰りのバスの本数が少なく、時間的に難しいので今回は(?)あきらめた。 それでも火山口の近くまでいってみたが、風も強く、落ちたら終わりだろうと少し恐怖を感じた。

7月10日ごろからは頂上にある郵便局がオープンし、ハガキを投函すると登山記念のスタンプをおしてくれるそうです。 残念ながら私が行った時はオープン前でした。 山小屋、休憩所以外の記念品(神社のお守りや富士の天然水)も大半は10日から発売とのことです。

(一応休火山なんだよね。。。そう思うとますます怖い)

◆行きはよいよい帰りは◆
(下山道)

下山は足に負担がかかる。 左膝の痛みはピークとなり、痛み止めを飲んでも効いているのは1時間くらい(通常4時間は効果あり)。 立ち止まると左膝ががくがくするので休憩も座らないでその場で立って休んだ。 須走口の下山道は砂走りといって一歩足を踏み出すごとに下山道の火山砂がズズズーっと移動して進むから速度もあがり、下山も早いと聞いていたが途中溶岩も多いのでそんなに思った程は進まない。 体力のありそうな男の子達が駈け足で飛ぶように私の横を通りすぎていっていたので、本当はそうなのかもしれないがすでにヘロヘロな私はそのまま足を滑らせて何度も転倒したり尻もちをついて進むのがやっと。 一体どこまで下れば到着よ?、飽きてきたぞ〜。 
途中足元も見ずにタラタラと歩いていたら道の真中にあった溶岩を思いっきり蹴っ飛ばす。 蹴っ飛ばしてもサッカーボールではないので転がらず、かわりに私が転がるほど痛い思いをした。 泣きっ面に蜂ってこういう事なのね、ますます左足をひきづって歩くことになってしまった。 
(後日談:しっかり足の親指の爪の中が内出血してました。 筋肉痛よりも痛みがとれるのに時間がかかりました。)

長い長い火山灰でできた砂の下山道に飽きてきたころ、最後の潅木林な樹海に突入したが、これがまた不安になるくらいに長い下山だった。 途中で会う人たちに「これってまさか、五合目じゃなくてもっと下までいっちゃうんですかね?」と聞かれたが、それは私も思っていたことだから聞かないで〜(笑)。 不安もピークになったころ、結局スタート地点の五合目に無事到着。 やれやれ無事に戻ってこれたよ、下山にかかった時間は3時間45分くらいだった。 


◆再び新五合目へ◆ (トータルで約38,416歩だった模様)
ヘロヘロになって戻ってきたところへ、休憩所の方から「お帰りなさい」の声とともにお茶のサービスをしていただいた。 御殿場までの帰りのバスまでは30分ほど時間があったので名物というコケモモ(高山植物)のソフトクリームを一気に食べる。 随分日にも焼けてしまったようで顔がホカホカしている。 前日五合目までのバスで一緒になった半そでな外国人グループも無事戻ってきていた。やっぱりそのカッコで頂上にいったのですね、びっくりだわ(笑)  バスにのって御殿場駅へ。 そしてそのまま東京行きのバスに乗りかえ、達成感も手伝ってずっと眠っているうちに帰ってきてしまいました。

◆リピーターの予感◆(もしもこのページを見て富士登山をしようかと思ってくださる方に。)

無理のないスケジュール、タイミングですれば私のようなとんでもない軟弱な人間でも無事に頂上にたどり着くことも可能です♪ 標高が高く、酸素が薄いのに平気という体質が幸いしたというのはありますが、とにかく私の体力のなさは天下一品です。 下山したあと友人から「これで体力に自信のない人たちに勇気と希望という光を与えたよ」とまでいわれたくらいです。 

今回左膝を痛めた原因は歩き方がおかしかったのでしょう。 無理のかかる場所に体は正直に反応しました。 これを機会に整体にでも通って体のバランスを直そうと思っています。 また下山は予想以上につま先に負担がかかります。 筋肉痛は数日でおさまりましたが、足の親指の爪の痛さは1週間後の今も多少残っています。 下山は登山の半分の時間と聞いていましたが、そうでもないと実感でした。

あまりにも私が楽しかった楽しかったを連発するので、私の周りで富士登山希望者が増えています。 また私も機会があれば今度は他の登山口から登ってみようと思っております。 

end